転職=キャリアアップは“まやかし”です。転職=キャリアアップという考え方が広まった背景は、「転職エージェントの闇」のコラムをご参照ください。
リンク:転職エージェントの闇
私たちはこれまで3,000人以上の新入社員や若手社員のキャリアを間近で見てきましたが、キャリアアップできる人と、そうでない人には明確な共通点があります。
それは「転職回数」です。
転職=キャリアアップではなく、むしろキャリアダウンになるケースの方が多く、転職回数が少ない人の方がキャリアアップしている傾向が強いのです。
もちろん、転職を重ねてキャリアアップを実現する人もいますが、それには明確な理由と戦略があります。
ここではそれぞれの共通点について分析していきます。
一昔前は「石の上にも三年」という言葉がありました。どれだけしんどくても、嫌でも、まずは三年間やることが大切だという考え方です。現代では根性論のように捉えられるかもしれませんが、この考えはキャリアアップを目指すうえで非常に重要です。
ただし、誤解のないように申し上げると、理不尽なハラスメントが横行していたり、正当な評価がなされていない、劣悪な労働環境にある企業であれば、直ちに退職すべきです。
「三年」はあくまでも目安ですが、最近は入社して1 ヵ月や半年、1 年以内に離職するケースが増えています。
主な理由は「人間関係が合わない」「思っていた仕事内容と違っていた」「仕事にやりがいを感じない」「頑張っているのに評価されない」などです。
・「人間関係が合わない」
→どんな会社でも、合わない人は必ずいます。
・「思っていた仕事内容と違っていた」
→どんな仕事も、入社前のイメージ通りという方が少ないです。
・「仕事にやりがいを感じない」
→1 年未満の期間で、やりがいを語れるほどやりきったかは疑問です。
・「頑張っているのに評価されない」
→評価されない原因を、自ら受け止めようとしない人も多いです。
これは一例ですが、自分本位であらゆることを他責にし、自分を正当化・自己防衛する場面が多く見られます。
このような姿勢では、次の職場でも同じことを繰り返す可能性が高く、本質に気づかないまま転職を重ねることになり、キャリアアップからは遠ざかってしまいます。
業界や職種、成長スピードにもよりますが、おおよそ3年間継続することで、仕事のやりがいや魅力を感じ始め、成果が見え始めます。
自分の仕事が誰かに喜ばれたり、社会に貢献できたり、会社から評価されたり、自己肯定感が高まったり、成長を実感できるようになります。
こうした経験は、その人のキャリアに大きなプラスの影響を与えます。
この経験なしに転職することは、それまでの職歴の価値を十分に積み上げきれなかったことを意味し、市場では評価されにくくなってしまいます。
転職してキャリアアップを実現できる人は、前職で成果を出したり、スキルが高く評価されたり、職場で重宝されるほどの価値を提供していた人です。
辞めようとしている会社で何の成果も出せず、評価もされなかった人が、転職で成功する可能性は非常に低いのです。
私たちが推奨するのは、可能な限り「同じ会社でキャリアを積み上げていくこと」です。
特別な才能やセンスがある方は、複数の企業を渡り歩いても成果を出せるかもしれませんが、王道は一つの専門性・スキル・知識・ノウハウを追求し、自分にしかない価値を築いていくこと。
その積み重ねが、成果や信頼を生み続けるビジネスパーソンへの道だと、私たちは考えています。
リンク:最後の転職にすることがミッション